人文学の情報の保存――ホームページをどうやって蓄積・保存していくか(2)


前回、国立国会図書館「インターネット資料収集保存事業(WARP)」が、国立国会図書館法に基づき「公的機関のウェブサイトの網羅的な収集」を行っている、とお伝えしました。

具体的には、①「国の機関、地方自治体、独立行政法人、国公立大学などが収集対象」*1となっています。

 

では、国立国会図書館法の及ばない民間のホームページはどうなっているのでしょうか。

それは、②「公益法人、私立大学、政党、国際的・文化的イベント、東日本大震災に関するウェブサイト、電子雑誌などを主な対象として、発信者の許諾を得られたものを収集・保存*2する、となっています。

 

②の「ホームページ(=ウェブサイト)」に限定して調べてみました。

実にさまざまなホームページが保存されていますが、一番驚いたのは、人文科学系の学会のホームページは、オリジナルのホームページのまま、時系列のかたち(前回のブログ(1)の図2の横国大のような形)では、ほとんど保存されていない、ということでした。

 

例えば、「宗教哲学会」で検索すると、京都大学のホームページに紐づけられた「宗教哲学会」のホームページが出てはきます。でも、それは時系列に並んでいませんし、「このページは収集されていないか存在しません。」と出る場合が多いのです。

 

つまり、人文科学系の学会は「公開者」としてWARPを活用しているところが少ないということでしょうか。

WARPのホームページには、「WARP活用術」も掲載されており、

 

「WARPにリンクを張れば、消してしまった情報も見せ続けることができます。

条件はたったの二つ。申請は不要です。

 WARPにウェブサイトが保存されていること。

 保存されたウェブサイトがインターネット上に公開されていること」*3

 

です。「作業方法」も詳しく掲載されています。

 

「そんな事業があることは知っていたけど、忙しくて……」

この機会にぜひ、WARPを活用して大事な学術情報としての学会のホームページを保存されてはいかがでしょうか。

 

[1][2]

 


*1 「国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)について」の「収集対象」より博論社抜粋(http://warp.da.ndl.go.jp/info/WARP_Intro.html)

*2 「インターネット資料の収集」の「3.許諾に基づく収集」より博論社抜粋(http://www.ndl.go.jp/jp/collect/internet/index.html#anchor01)。

*3 WARP活用術」の「古いページ、どうしてますか?」より博論社抜粋(http://warp.da.ndl.go.jp/contents/reccommend/utilization/warplink.html)。